【シュペネマンの独逸流】ドイツでアウディが売れるワケ

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110321-Kazuto-01.jpg2010年、アウディは歴史に残る109万台のセールスを記録し、BMWの122万台(ミニを除く)に迫る勢いです。その背後には、アウディのブランド力の強さや、製品そのものの良さがありますが、実は他にも理由があるんですよ!

ヨーロッパを旅行したことがある人は、タクシーにメルセデスやアウディなど、高級車が多いことに疑問を抱いたに違いありません。

その理由のひとつに税金があります。とにかくヨーロッパは税金が高いんです。消費税など20%がザラですし、法人税や営業税など、会社に課される税金も同様に高い。そこで、個人経営のタクシーをはじめ、黒字を出している個人経営者から大きな会社まで、うまくお金を使い、帳簿上はできるだけ赤字に近くしようと考えているわけです。

でも会社で使えるお金なんて限られています。オフィスの引越し、オフィス家具の購入、コンピューター設備の充実......。あとは人を雇うかクルマを買うしかないんです。 しかし、人は一度雇うとそう簡単にクビにできない。そうなると、黒字の額にもよりますが、クルマに投資するのが一番都いいんです。

かといって、どんなクルマでも構わないというわけではありません。たとえば、数年後にお金が必要になったときに、相応の値段で売れるクルマじゃないとダメ。そのためには、そのブランドが世間からしっかりと認められ、かつ、人気のあるプレミアムカーであることが必要です。数年でデザインをコロコロ変えるメーカーや、経年変化が大きいメーカーのクルマは、カンパニーカーには不向きです。

会社やクルマに対する考え方も違います。ドイツで「良い会社」というと、社員が休みを返上したり残業をしなくても、ちゃんと利益を出してる会社。営業の現場には、ばっちりキメたスーツをまとった担当者が、それなりのクルマで現れないと、良い印象は得られません。安モノやボロボロのクルマは論外だし、もちろん下品で傲慢なイメージのクルマや超高級車もご法度です。ある程度高級だけど、スタイリッシュで控え目......というのが非常に重要です。

さらにドイツの交通事情もカンパニーカー選びを左右します。電車網が日本ほど発展しておらず、産業も経済も各地に分散しているドイツでは、クルマで出張に行くことが多いのです。アウトバーンは無料ですから、クルマが最も安価で都合の良い移動方法という場合が多い。 ドイツ人の年間平均走行距離は2万キロですが、カンパニーカーは平気で3万キロは走ります。

そこで、カンパニーカー選びのポイントは、アウトバーンを長距離走っても疲れず、速くて、荷物がたくさん詰めて、燃費が良い、ということになります。ドイツでは、高級車にディーゼル車が多く、またステーションワゴンに人気が集まるのも理由があるんです。

ここでアウディなんですが、高級でも決して傲慢なイメージがなく、控え目でスマート。しかも、低燃費でディーゼルエンジンも高性能。そのうえ中古車の価格も安定しているとなると、カンパニーカーとしてはまさに理想のクルマといえるでしょう。

月曜日から金曜日にアウトバーンを走る高級車のほとんどがカンパニーカーです。元気よく走るA6やA8が目立つのは、そんな理由があるんです。

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このページは、1to8.netが2011年3月22日 07:00に書いたブログ記事です。

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