「quattro」について考えてみた

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170830-Saito-01.jpg最近スバルも「4WD」といわずに「AWD」なんていって、4WDという呼び方からの脱却を図っています。「なんで?」ってスバルの人に聞いてみたところ、"泥臭い""オフロード色が強い"といったイメージが一般にあるようで、もっと洗練されたオンロードのイメージにしたいんだとか。
個人的には、「それはそれでいいんじゃないの?」って気もするんですが、ブランドイメージに関わることなので、メーカーとしては、捨て置けない大切な事柄なわけです。

その点Audiは、4WDモデルのデビュー時から「quattro(クワトロ)」を使っていて、オフロードなイメージは薄いですね。もっとも最初にデビューしたクワトロは、世界ラリー選手権(WRC)に参戦したわけですから、あながちオフロードと無縁てこともないんですけど。

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当時、乗用車型の4WDなんてスバルしかありませんでした。そのスバルも、70年代から80年代前半はトランスファ式のパートタイム4WD。ATのトランスファに多板クラッチを使って電子制御したMP-Tが採用され、フルタイム4WDとしての機能を備えますが、センターデフが採用されるのは86年のことで、センターデフ式フルタイム4WDはAudiが最初のはずです(詳しく調べてませんが)。

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Audiのquattroもずっと同じシステムを使っていたわけではありませんでした。Audiの4WDシステムであるquattroの変遷をざっと振り返ってみると、こんな具合になるようです。

第1世代......ベベルギヤ式センターデフ+センタデフロック機構、リヤデフロック機構。

第2世代......トルセンセンターデフ+リヤデフロック機構

第3世代......プラネタリーギヤ式センターデフ+電子制御多板クラッチ式LSD+リヤトルセンデフ。

第4世代......センタートルセンデフ+EDS(エレクトリック・デファレンシャルコントロール・システム)。リヤデフ=オープン。

第5世代......トルセンセンターデフ(タイプA)+ESP(エレクトリック・スタビリティ・プログラム≒横滑り防止装置)。リヤデフ=オープン。

第6世代......トルセンセンターデフ(タイプC=不均等トルク配分)/AAM社製不均等トルク配分デフ。リヤデフ=オープン。

第7世代......クラウンギヤ式センターデフ+多板クラッチ(機械式)。リヤデフオープン/リヤスポーツデファレンシャル(左右トルクスプリット)。

第8世代......トルセンセンターデフ(コンパクト タイプC)+リヤスポーツデファレンシャル+ESP。

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ちなみに横置きエンジン系は、「ハルデックスカップリング」というのを使っていますが、現在はジェネレーション5に進化しているようです。

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それからAudi R8。このクルマは、当初「ビスカスカップリング」を使っていましたが、2代目になって「ハルデックスカップリング」が採用されています。

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......なんてのんびり原稿を書いていたら、すでにAudi A4 allroad quattroやAudi Q5にはセンターデフを持たない新世代のquattroが搭載されていました。

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今後、このシステムはさまざまなモデルに拡大採用されることになると思います。次回は、その新しいquattroについて、メカニズムと乗り味を掘り下げてみたいと思います。

(Text by Satoshi Saito)

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Author:斎藤 聡

業界屈指のドライビングスキルを誇るモータージャーナリスト。自動車雑誌やウェブマガジンに寄稿する一方、Audi Driving Experience(ADE)の公認インストラクターを務める。タイヤの評価も得意で、ウインターシーズンは関東より北海道にいることが多い!?

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