160307-Oya-02.jpg3月1日にプレス公開された第86回ジュネーブ・モーターショーで、Audiは最も注目を集めたブランドのひとつといって過言ではない。Audiで最もコンパクトなSUVである「Audi Q2(ドイツ語でクー・ツヴァイ)」の発表が予告されていたからだ。 プレス・ブリーフィングは朝9時5分開始と他メーカーに比べて早い番だったにもかかわらず、ステージ周辺は立錐の余地もないほどのプレス関係者で埋められた。

きらびやかなイルミネーションとともに、Audi Q2が登場すると一斉に拍手が沸いた。

15分の割り当てられたプレゼンテーションのなかで強調されたのは、さまざまな電子化だ。

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司会者の女性がスマートフォンの既存アプリでバーデンバーデンのホテルを選ぶだけで、Audi Q2の「デスティネーション・シェアリング」システムがナビゲーションに目的地情報を自動送信。もはやナビにインプットする面倒がないことを強調した。

続いてAudiのヘッドアップ・ディスプレイなど先進装備が紹介されたあと、最後にAudi Q2開発に関わった若きデザイナーたちも紹介された。

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Audi Q2の詳細は先に公開されている160307-Oya-05.jpg
ステージに展示された3台のAudi Q2は、ジャーナリストたちによって絶えず取り巻かれていた。とくにダイナミックなCピラー周辺を強調して撮影するフォトグラファーが少なくないのは興味深かった。

ちなみに原理主義派(!?)ドイツ車ファンのためにいえば、Audi Q2はアウディのメインプラントであるインゴルシュタット工場で生産される。これは売れないはずがないだろう。

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ショー開催地の隣国であり、欧州のいち重要マーケットであるイタリアでアウディを販売する「VWグループ・イタリア」の幹部と話す機会があった。

彼によると、Audi Q2の顧客ターゲットは35〜40歳で、従来のAudiユーザーの平均年齢より若めである。筆者の「ライバル車は?」との質問には、「まったく新しいジャンルのモデルなので仮想敵はない」としながらも、ユーザーが選択肢として考えるであろうモデルとして、英国製コンパクト・プレミアムカーの名を挙げた。

ちなみに、イタリアでAudi 購入者が組むローンで最も典型的期間は24か月、つまり2年らしい。

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なおAudiは、Audi Q2のほかにも2台の新型車をリリースした。

まず1台めはAudi S4 Avantだ。これは昨2015年フランクフルトで発表したAudi S4セダンに続くもので、同様にV6ターボ 3.0 TFSI(354ps)エンジンを搭載。リミッター作動を伴う最高速は250km/hという。ドイツ国内の基本価格は、61,150ユーロ(約794万円)と発表されている。

もう1台はAudi RS Q3 performanceである。Q3シリーズのトップモデルという位置付けで、5気筒ターボ367psによる最高速度は270km/hに達する。こちらのドイツ国内価格は、61,000ユーロ(約793万円)からだ。

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実はアウディ・ブースには、もうひとつニューモデルが展示されていた。

2014年からアウディ傘下にあるイタリアの2輪メーカー「ドゥカティ」の「ムルティストラーダ1200エンドューロ」である。

昨2015年のミラノ2輪ショーで発表されたものだが、アウディ・ブースでは初公開だ。

ベースとなった「ムルティストラーダ」に搭載され話題を呼んだDVT(Desmodromic Variable Timing)。そのエンジンは、ドゥカティのお家芸であるデスモドローミックに、可変バルブ機構を付加したものだ。

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160307-Oya-14.jpg「ドゥカティ・スイス」のマーケティング・マネジャーであるヴィットリオ・ボッツォーリ氏によると、それはインゴルシュタットのAudiとボルゴ・パニガーレのドゥカティ双方のエンジニアによる技術交流の成果という。さらに、ドゥカティ製品の開発期間短縮もAudiグループ入りの成果と話す。
ちなみに前述のルパート・シュタートラーCEOは、気がつけば眼鏡を従来の秀才風メタルフレームからセルフレームに変えていた。ステージで氏はAudi Q2を「毎日をともにするクールなデバイス」と定義したが、自身もややクールに"マイナーチェンジ"を図っていた。

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(文と写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA)

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