O・Zの現在・過去・未来〜イタリア本社訪問記(前編)

180709-OZ1-00.jpgイタリア発の世界的ホイールブランド「O・Z」。その本社訪問を通して見えてきたO・Zの歴史、いま、そして、未来とは?
「水の都」として知られるヴェネチア。日本でも有名なイタリアの観光地が州都のヴェネト州に、O・Zのイタリア本社がある。ここから世界70カ国に向けて、OZブランドのアルミホイールが送り出されている。

今回私は、O・Zのイタリア本社およびファクトリーを視察する機会を得た。

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さっそく社屋に足を踏み入れると、F1のジョーダン195がゲストを迎えてくれる。もちろん、その足元にはOZ Racingのホイールが装着されている。

O・Zといえば、アフターマーケット用のホイールはもちろんのこと、世界のおもなモータースポーツにホイールを供給するブランドしても知られている。しかもそのシェアはF1が約6割、WRCが100%と圧倒的なものだ。

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案内されたプレゼンテーションルームには、現行のアフターマーケット向け商品に加えて、F1用のホイールが展示されている。今シーズンは、フェラーリ、レッドブル、ルノー、アルファロメオ(ザウバー)、メルセデス、ハースの6チームにマグネシウム鍛造ホイールを供給している。2019年はさらに供給チームが増える予定だ。

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O・Zが供給するF1用ホイールはチームごとに異なり、各チームが要求する強度、重量、ブレーキ冷却性能などにあわせて、設計を変えているのだ。下の写真はメルセデス用で、スポーク部分が空洞なのがわかる。

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一方、こちらはレッドブルのリヤホイールで、溝のあるデザインが特徴的だ。これにより放熱効果を高めているという。このように、さまざまな最先端のホイールテクノロジーが、ここO・Zで生み出されているのだ。

O・ZはF1マシーン1台あたり、年間150本のホイールを提供するが、それらは協賛ではなくすべて販売という形をとっている。しかも、売り切りではなく、レースで使用後にはホイールを回収し、洗浄後に歪みなどをチェック。良品は再使用することでチームの負担減に貢献している。

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そして、F1など、モータースポーツ用ホイールづくりで得られたノウハウは、アルミ鍛造ホイールシリーズ「OZ ATERIER FORGED」をはじめとする各ホイールに受け継がれることになる。

なかでもアルミ鍛造ホイールは、レース用ホイールと同じファクトリーで生産されることからもわかるとおり、そのつながりがより密接である。

下の写真がそのファクトリーでさっそく内部を紹介しよう......といいたいところだが、残念ながらこちらは撮影禁止エリア。しかし、見学は可能で、F1やFIA GT3用のホイールが置かれていたり、5軸加工機により鍛造ホールがつくられる現場を見ることができた。

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8speed.net / 1to8.netに関係があるものとしては、フォーミュラEのホイールが挙げられる。1〜2シーズンはO・Zの独占供給で、現在は他のサプライヤーも入っているが、次のシーズンには再び独占供給に戻る見込みだ。

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フォーミュラEではF1よりも大径の18インチホイールが使われている。O・ZではかつてF1用タイヤの18インチ化を検討するためにホイールを提供した歴史があった。そのときには18インチ化の話はお蔵入りになったが、あとになってフォーミュラEで採用したいということになり、いちはやくO・Zが対応できたのである。

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すでに活動は終了したが、Audiのルマン24時間での勝利はO・Zが足元から支えてきた。

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こちらも活動を終えているが、フォルクスワーゲンのポロWRCにも、O・Zのホイールが使われている。WRC用はマグネシウム鋳造ホイールで、前述のとおり、現在でも各チームにO・Zのホイールが供給されている。

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新しいところでは、2018年6月24日に開催された「パイクスピーク インターナショナル ヒルクライム」で、7分57秒148のコースレコードを樹立したフォルクスワーゲンの「I.D. R Pikes Peak」にも、O・Zのホイールが装着されている。

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フォルクスワーゲン モータースポーツが技術力を認めたO・Zが、その期待に見事応える結果となった。

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モータースポーツの経験とそこから生まれた技術が、O・Zを前に進める原動力なのだ。


(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, Audi, Volkswagen)

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