【RAYS】進化の宿命〜VOLK RACING TE037 6061

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180301-TE037-2.jpgVOLK RACING TE037の第2弾として登場した「TE037 6061」は、ゴルフGTI/R、S3/RS 3オーナー待望の19インチ、A6061アルミ鍛造ホイールだ。これをプロデュースしたRAYSの山口浩司氏に、TE037 6061にこめた思いを聞いた。
ハイパワー&ヘビーウェイトのプレミアムスポーツに向けて、RAYSが放つ超超ジュラルミンホイールが「VOLK RACING TE037 DURA」だ。RAYSの圧倒的な技術力により商品化に漕ぎ着けたTE037 DURAが、VOLK RACINGの歴史に新たな1ページを刻んだことは確かだ。そんなTE037 DURAの特徴を受け継ぎながら、素材を超超ジュラルミンからA6061アルミに変更し、「Volkswagen Golf GTI/R」「Audi S3/RS 3」などへの装着を見据えて19インチサイズとしたのが、新登場の「TE037 6061」である。

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----19インチの構想はいつ頃から?

TE037 DURAをつくるときに、19インチもやろうとは思っていました。20インチのTE037 DURAはハイパワー&ヘビーウェイトのプレミアムスポーツ、具体的には「Nissan GT-R」「Lexus RC F」「Audi RS 5」「BMW M4」あたりを想定して開発したものです。その次の段階として、高性能なミドルスポーツクラスの世界標準車に向けてつくったのが、このTE037 6061です。

----Golf GTI/RやS3/RS 3がターゲットなんですね?

これらのミドルスポーツクラスにも、19インチタイヤが純正装着されることが増えてきました。一方、コンチネンタル、ミシュラン、ピレリといったメーカーが、素晴らしい性能の19インチタイヤを供給しています。そういった状況から、ミドルスポーツクラス向けの19インチホイールが重要になってきています。

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----超超ジュラルミンからA6061アルミに変更した理由は?

TE037 DURAのターゲットが1,000万円超のプレミアムスポーツでしたので、1本25万円という価格でも受け入れられましたが、ミドルスポーツクラスではさすがにそれは難しいので超超ジュラルミンでいくのはやめようと。20インチから19インチにサイズを変えたところで、価格はあまり変わりませんからね。そこで、A6061アルミを使用しながら、TE037 DURAの特徴を再現していく方法を考えました。

----TE037 DURAのデザインや軽量性といった特徴に加えて、VOLK RACINGにふさわしい高い剛性を確保したということですが、結果的にTE037 6061はA6061アルミ鍛造ホイールとして最高レベルの性能を手に入れたそうですね?

重量だけを見ると、TE037 DURAよりも進化しています。TE037 DURAの20×8.5Jが9.45kg。これを19インチ化すると1kgくらい軽くなるはずです。ところが、TE037 6061はそれよりも軽い8.15kgからという驚異的な数値に仕上がってしまったのです。これじゃあ辻褄があわないですよね(笑)

----A6061アルミによる"下克上"ですか!?

社内にはアルミホイールを設計するチームがいくつかあって、そのなかでTE037 6061をつくっているメンバーがTE037 DURAをライバル視していました。最新モデルはそれ以前のものより性能を上げなければならないという考えがありますので、A6061アルミでも超超ジュラルミンに手加減なしという感じです(笑) TE037 6061の広告に「進化の宿命」と書いたのは、そういう意味なのです。もちろん、TE037 DURAで得たノウハウは、TE037 6061の開発チームに受け継がれていますので、TE037 DURAがあったからこそのTE037 6061なのですが。

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----高い剛性を維持しながら、さらなる軽量化を実現できた秘密は?

ひとつは、スポークの裏側の肉を効果的に削ぎ落とすことができたから。金型を進化させることができたおかげで、ここまで肉抜きができるようになりました。

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----見えない裏側にまでこだわるのが、いかにもRAYSらしいですね!

これだけ裏を造形しているのはRAYSくらいでしょう。実は裏側が大切で、裏に性能が隠れているといっても過言ではありません。減肉化であったり、性能に関わる部位が全部ありますからね。言ってみれば鋳造みたいな金型ですが、鋳造じゃこれはできない。そういう金型にすると、角の部分が過熱してしまって、性質の悪い鋳物しかできない。鍛造だからできるスーパー金型です。

----つくるのも大変そうですね?

RAYSの金型鍛造工法の場合、通常3回プレスします。そのため、上型としては、粗打ち型、決め型、仕上げ型の3つを用意します。一方、下型は通常は1つで良いのですが、TE037 6061ではスポークの裏側を抜くために、下型も3つ用意しています。

----そのぶんコストがアップしてしまいますよね?

いきなり一発で裏側を抜こうとしてもできないんです。割れたり、"かぶり"といって肉が盛ってしまったり。そこで金型を解析しながら、1つ目でちょっとだけ盛り上げて、2つ目でさらに盛り上げて、最後は完成形に近い、裏側が角みたいになったのがあって、ようやくできあがるんです。金型を6つつくると、金型代だけでも大変ですよ(笑)

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----さらに、TE037 DURA同様、スポークのサイドに穴をあけるわけですね。

スポーク1本につき横に4つの穴をあけるんですが、5軸加工機があればできるというものではないんです。トタン板に穴をあけようとするとビビるでしょう? それと同じで、スポークの横に穴をあけようとするとそこがビビって刃物が踊るので、それを防ぐ方法が必要になります。でも、この"ウェイトレスホール"と、スポークエンドの"ウェイトレスポケット"をあけることで、剛性を維持しながら軽量化を進めることができました。その性能がデザインに現れているというのも、お客様の高い満足度につながっているようです。

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----TE037 DURAのノウハウが生きているということですか?

6本スポークをデザインするという意味では、SUPER GT500クラスのレース用ホイールをつくってきた経験が生かされています。それがTE037 DURA、そして、このTE037 6061に受け継がれているんです。

----東京オートサロンや大阪オートメッセでの反応はいかがですか?

おかげさまで、オートサロンの翌日から注文が増えています。なかには事前に注文をしていて、会場に確認しにくるお客様もいたり。また、会場で「ほしいんですよ!」と言ってくださるお客様は、必ずといっていいほど買ってくださいますね。

----お客様の声は参考になりますか?

もちろんです。年間4〜50カ所のイベントでお客様の話を聞いていますので、皆さんの意見を参考にしています。RAYSの強みとしては圧倒的な開発力が挙げられますが、サイズラインアップの豊富さも魅力だと考えています。痒いところに手が届くのは普通ですから、さらにその先にある、ここも痒くなるだろうということも想定しているんです。

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----19インチの次は18インチでしょうか?

実は18インチの開発もスタートしています。19インチが選びやすくなったとはいえ、18インチを履きたいというVolkswagenやAudiのお客様がいらっしゃるので。おそらく18インチの鍛造ホイールでは最高価格帯になると思いますが、ほしいというお客様が「それでも大丈夫」というので、東京オートサロンから戻ってきてすぐに開発を決めました。

----お客様目線の商品開発がRAYSの人気を支えているんですね!

オートサロンやSUPER GTに来場したお客様たちの声で、われわれが金型を起こしているとは思わないでしょうね(笑)

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(Text & Photos by Satoshi Ubukata)

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