141115-4-Finish-1.jpg2014年11月16日、栃木県のツインリンクもてぎにて2014 SUPER GT第8戦「もてぎGT 250kmレース」の決勝が行われ、Audi Team HitotsuyamaのAudi R8 LMS ultraが4位でフィニッシュした。

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2014年の最終戦となる「もてぎGT 250kmレース」。前戦のタイではマシーントラブルによりリタイヤしたAudi Team Hitotsuyamaとしては、何としてでも結果を残したいところである。

決勝前日の11月15日には、公式練習と予選が行われた。午前の公式練習では、リチャード・ライアン選手が#21 Audi R8 LMS ultraをドライブし、1分49秒139をマーク。これはトップの#11 GAINER DIXCEL SLSから1秒125落ちの5番手で、まずまずの結果だ。

午後にはノックアウト方式の予選が行われ、リチャード選手が9位でQ1を突破。Q2は藤井誠暢選手が9位を守った。「Audi R8には強力なブレーキ性能と優れた旋回性能という強みがありますが、それがツインリンクもてぎのコースに合っていました。さらに、気温が低いためにエンジンが本来持っているパフォーマンスを出すことができたのでしょう」と藤井選手はいう。

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決勝当日の午前中にも、マシーンの快調さが伝わってきた。リチャード選手がトップタイムでフリープラクティスを終えているのだ。決勝への期待がおのずと高まってくる。

そして午後1時にはいよいよ決勝がスタートした。

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#21 Audi R8はリチャード選手がスタートドライバーを担当。スタートから5周は9位を走行していたが、6周目でひとつポジションをアップすると、そこからはとんとん拍子に順位を上げ、33周でドライバー交替する時点では暫定トップを走っていた。

「朝からマシーンの調子が良く、決勝が始まってからも、他のマシーンを簡単に追い越すことができたので、ドライブがとても楽しかった。暫定トップに立ったのは知らなかったけど、最後のレースなので、とにかくプッシュしたよ。途中、エンジニアがレースの状況を無線で伝えてくれたけど、情報は要らないといって、運転に集中したんだ」とリチャード選手は語る。

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ピットストップでは、タイヤ無交換、または、リヤタイア2本のみ交換するという作戦で作業時間の節約を考えていたチーム。結果的には、「リチャードからリヤタイヤのフィーリングが落ちているという報告があったので、リヤ2本だけ交換しました」(藤井選手)。これにより、4位でコースに復帰。しかし、「タイヤが温まるまではきつくて、アウトラップでBMW Z4にパスされました」という藤井選手だったが、しばらくすると、先行する#4 グッドスマイル 初音ミク Z4と激しい3位争いを繰り広げることに。

「リヤタイヤの性能が少しドロップしてきたら、前後タイヤのバランスが取れてきて、いいペースで走れるようになりました。3位のBMWとはほぼ同じペースで走れたのですが、もてぎなのでなかなか抜くところがなくて......」。

#4 Z4はシリーズチャンピオン争いをしているマシーンだけに、強引なオーバーテイクにより接触やリタイヤという事態だけは避けようという藤井選手は終始クリーンなバトルを演じ、#4と0.467秒差の4位でチェッカードフラッグを受ける。

「結果的には4位でしたけど、内容としては僕たちの持てる力を100%出すことができましたし、今回の戦略も、いま振り返るとパーフェクトだったと思います。もし、ピットストップでタイヤを4本替えていたらもう少しペースは上がりましたが、順位は5〜7位止まり。反対にタイヤ無交換だった場合は一時的に前に出ることはできても、ズルズルと順位を下げていたでしょうね」(藤井選手)。

GT300クラス優勝は、ポールポジションからスタートした#11 GAINER DIXCEL SLS。2位は#31 OGT Panasonic PRIUS。3位の#4 グッドスマイル 初音ミク Z4を駆った谷口/片岡選手は、2014年のドライバーズチャンピオンに輝いた。

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レース終了後、チーム監督の一ツ山亮次氏は、「終盤は3位争いでBMW Z4を追い詰めることができましたが、相手はチャンピオンマシーンだけに、抜くまでにはいたりませんでした。ただ、互角のスピードで走ることができましたし、来年に向けて、優れたパフォーマンスを示すことができたと思います」と語った。

最終戦を終えて、藤井選手に今年を振り返ってもらうと、「BoPの問題やヨーロッパと日本の環境の違いなどもあって、僕たちのAudi R8にはなかなか勝てるチャンスが訪れませんでしたが、ようやく最終戦でマシーンのポテンシャルの高さを示すことができました。来年以降に向けては、今シーズン足りなかった部分を改善していけば、当然、結果はついてくると思います。SUPER GTに参加して、正直、ここまで苦しかったシーズンはありませんでしたが、最終戦で光が見えてきたかな。このオフシーズンを皆で頑張っていけば、最終戦のパフォーマンスを常に示せると思いますので、来シーズンもぜひ期待してください」。

一方、一ツ山監督は、「かなり浮き沈みが激しいシーズンでした。第1戦を8位で終えたあとは、しばらく下位に沈み、菅生では雨の中、3位表彰台。そのあとはトラブルなど不運が続いて厳しい場面もありました。しかし、最終戦もてぎで表彰台まであと一歩という戦闘力を示すことができたのでホッとしています」。

そして、気になる来シーズンについては、「来年もAudi R8でSUPER GTを続ける計画を立てていますので、引き続き応援をよろしくお願いします」とのこと。ぜひ来シーズンもAudi R8 LMS ultraにより、Audiファンの期待に応えてほしいものだ。

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(Text & photos by Satoshi Ubukata)

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