アウディ成長の理由を僕なりに考えてみた

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好調の波に乗るアウディ。その成長の理由を、シュペネマン和人はこう見ている。
最近のアウディは、すごい勢いで成長している。

「アウディが利益率で新記録」「販売台数で記録更新」といったニュースが毎週、毎月のように発表されている。7月14日の発表によると、2020年までに1万人を新規に採用する予定。現在6万人の従業員数が7万人にまで膨れ上がるのだ。また、自動車の電気化を含む新技術導入に向けて、ドイツ国内で110億ユーロ(約1兆5400億円)の投資を行う計画も発表された。

アウディは、ついこのあいだまではVWグループの子会社として、メルセデスベンツやBMW等の他のプレミアムブランドの半分にも満たない規模の小さな会社だったのである。この成長のスピードは、これまで例を見ない。

では、なぜこれほどの成功を成し遂げたのか? 答えを出すのは難しいが、通訳・コーディネーターとして、ここ15年以上アウディに関わってきた者として僕なりに考えてみた。

まずアウディには若さを感じる。製品が若い人をターゲットにしているのではなく、 取締役から従業員にいたるまで皆若い。たとえば、アウディのマネージメントを支える6人の取締役は平均年齢が50歳。CEOのルパート・シュタートラー氏は48歳である。社長が若いと、「俺も頑張ればもっと出世できる!」とやる気になる人がどんどん増えると思う。一方、大企業に見られるような固さやしがらみ、決断の遅さは、この会社にはあまり感じれらない。やる気のある人間、能力のある人間にはどんどんチャンスが与えられる。逆に言えば、やる気のない人、ポジティブじゃない人間は居心地が悪いのかもしれない。

アウディの社員は、とにかく皆いつも忙しそうにしている。仕事が多いからといって従業員をどんどん増やす前に、とにかく徹底的に効率化を図り、できるだけのことをやってみるというのが、ここの企業のポリシーのようだ。付き合いの長いアウディ本社の国際広報部も、発表する車種がどんどん増え、会社も成長しているが、ずっと同じ少人数で対応しているのである。

そして僕がアウディの人々から強く感じるのが、皆とても自動車好きだということだ。これは統計をとったわけではなく、あくまで個人的な推測である。「優良な企業だから」「給料が良いから」という安易な理由で、自動車にあまり関心のない人を採用担当者がはじき出しているのかどうかは知らないが、とにかく皆とても自動車が好きで、アウディに誇りを持っているのである。それは、デザインや開発、セールス、マーケティング、そして、広報にいたるまで、とにかく会うと自分の自動車(アウディ)自慢に始まることからもわかる。俺はどこでどんな経験をした。この自動車をこう乗っているんだと、自慢話ばかり聞かされる。まあ、アウディ好きの私としても、同じように会話に加わっているわけだが(笑)

アウディの取締役のインタビューで何度も聞かされた言葉が、「魅力のある製品を出し続ること。そして魅力のある雇用主であることが成功の秘訣」。魅力ある会社で、社員がやる気を出し、皆がクリエイティブになれる会社であれば、どんどん良い製品が生まれてくるのである。コストを減らし利益を追求することが最優先の企業にとっては、言うのは簡単でも、実現は難しい。でも、アウディには、そんなポジティブなパワーが感じられるし、これが魅力のある製品を生み出す原動力になっているのと僕は思うのだ。

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Author:シュペネマン和人

京都出身。京都の大学を卒業したのち、ドイツのマインツにわたる。現在は貿易関係の会社を経営するかたわら、 通訳・コーディネーターとして忙しい日々を送っている。 国籍はドイツだが、日本人の母の影響で、日本語、関西弁(!?)、英語、ドイツ語を使いこなす。

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