150923-Kasai-01.jpg「硬い」「柔らかい」などと表現される乗り心地。自分が「いい乗り心地だ!」と思っていたのに、同乗者から「乗り心地が悪い」とか「硬い」といわれることはよくあります。

乗り心地は、実は評価するうえでもなかなか難しい現象のひとつです。
そのような意見の違いはなぜ起こるのでしょうか?

実は、気にしている領域が異なるために、違う現象に着目していることが多いんです!

橋の継ぎ目やマンホールを通過する際のショック、荒れたアスファルトを走っているときの細かい振動、うねった道でユラユラ船のように揺れる動き......。

同じクルマでも、タイヤやサスペンションは走行状況に応じてまったく違う動きを見せますので、「硬い」「柔らかい」だけで話がかみ合わないのは当然のことです。

理想は、どんな道でも硬さが気にならず、フラフラもしないで走ることのできるクルマです。でも、段差などでの硬さを改善するためにタイヤやサスペンションを柔らかくすると、今度はフラフラして酔いやすい動きになってしまいます。あちら立てればこちらが立たないのが乗り心地と走行安定性の関係ですので、開発する側としてはしっかりターゲットを絞ることが重要です。

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それはさておき、クルマの乗り心地を把握するためには、自分がよく走る道路の段差やうねりを走り抜ける際に、どれくらいの段差でどんなショック感が入ってくるのか、どれくらいの道のうねりで車体がどう揺さぶられるかを覚える癖をふだんからつけておくと、いざ知らない試乗コースであっても応用が効き、正しく判断できるようになります。

(1) 段差でのショック(橋の継ぎ目、マンホール、踏切など)
ガツンとかゴンとか、またはドン、ドスンといった感じのショック

(2) うねり路での動き(道のうねり、轍など)
ユラユラ、ユサユサといった車体が揺さぶられるような動き

こういった基準を自分で定めておくと、乗り心地が判断しやすくなります。それをもとに、どういった場所で硬いのか、フラット感はあるかなど、細かくチェックできれば、意見の食い違いが減り、正しい性能が判断できるようになりますよ!

(Text by Michiya Kasai) 

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